*出会い SCENE…3*



それは俺にとって酷く印象的な出会いだった。


今日もいつものように街を歩いていては、時々見た顔に出会い声をかけられる。

会話の内容はなんて事のない、他愛もないことで。

面白いか面白くないかといえば別に面白くもなくて。

ただ、話をしたときのそいつらの反応を見ることだけが唯一の面白いと思えることで。




そうやってまた街を歩いていると、今度は三人の女が向かいから歩いてきた。

そのうちの一人が俺に気がついて手を振ってくる。それを合図に残りの二人もこちらを見た。

俺は手を振り返し、彼女らの方に歩いていった。



「よぉ、元気かーお前ら」

「勿論。神も相変わらず元気そうだね!」

俺がいつものように言うと、最初に俺に向かって手を振った…ポニーテールの活発そうな女がまず答え、

「久しぶりね、MZD」

次いで三人の中では一番背が高くスタイリッシュな、パーマのかかったヘアスタイルが特徴的な女が挨拶をくれる。

そして…

「…」

もう一人。ただ、そいつは…その女は俺の顔を見たとたん二人の後ろに隠れるように後退った。

比較的小柄ながらこの三人の中では一番スタイルが良いように見える、綺麗なブロンドの髪と青い瞳をした娘。

彼女は気さくに話し掛けてきた他の二人と違って、あからさまに俺のことを警戒しているように見えた。


「ちょっと…どうしたのジュディ?」

「気分でも悪い?」

前の二人が心配そうにそいつに声をかけるが、そいつは頭を横に振った。

気分が悪いのを否定しては、綺麗で整った顔を微妙にゆがめて、変わらず俺に警戒の眼差しを向ける。


「なぁ…俺様なんかしたっけ?」

警戒されるなんてことには(とりあえず)身に覚えがなく、俺はそう口にした。

他の二人は「さぁ…」と顔を見合わせては、どうしたの?と彼女の方を向いた。

「ジュディ…今日はなんか変よ?いつもなら真っ先にMZDに声をかけるの、貴方なのに」

「そうそう、もしかして熱でもあるの?」


「ないヨ…?別に」

二人に訊かれてようやくそいつは口を開いた。はっきりと聴き取れたわけではなかったが、結構綺麗な声だなと俺が思ったとき、

その声は次に思いも寄らない言葉を紡ぎだした。



「アナタ…誰?」



そこにいた全員…そう口にした彼女を除いた全員が一瞬固まった。

そして一瞬の時の呪縛が解かれた後、彼女の発言に対する驚きが周囲を襲い、どよめきが走る。


「ジュディ…?本当に熱でもあるんじゃないの?」

そう言ってパーマの女が思わず彼女の額に手を当てた。

「もうっ、熱なんかないヨー…マリィ!」

眉間にしわを寄せ、額に当てられた手を引き剥がしながらそいつは言った。

「ってか熱なかったらなんなのよー…。ははぁー…さてはMZD!ジュディになんかしたでしょ?」

断定口調でそういわれても…何かをしたかしてないかなんてのはさっきも言った通り身に覚えがない。…俺にはな。


ただ一つわかるのは…そいつが俺に向けている視線が何かされて怒っているものというより、

あからさまに『見知らぬ人間に対する眼差し』であるということだった。

そいつは真剣に俺の事を見つつ警戒を解く様子を一向に見せない。



だが…そんな眼差しを向けられて…俺は、

思わず本気で笑い出しそうになった。


こいつはもしかして、もしかするかもしれない…と。



「あー…うん。なーわりぃ、二人共…ちっとこいつ借りていいか?」

俺は俺のことを警戒している少女の腕を掴んで、頼む、という仕草をして他の二人に向かってそう言った。

ウデをつかまれたそいつは一瞬俺の行動に驚いたのか身体を強張らせたが別段抵抗するとかはなかった。


それを見て他の二人は顔を見合わせ、やれやれ…といった仕草を見せる。

「あーはいはい、しょーがないなぁ神はー。でも『これ以上』ジュディに変なことしたらただじゃおかないからね!」

「はは、こえーなぁ…別に何もしねぇって。(つーか、そもそもした覚えねぇし)ただ話がしたいだけだっての」

「ふふ、じゃぁ私たち二人はこれで外すわね」

「あ、えと……マリィ、アヤ、ごめんネ?」

「いーっていーって。あ、でも何かあったらすぐ携帯で連絡するのよ?

可愛いジュディに近寄る悪いやつにはこのアヤ様がきつーくおしおき食らわしてやるんだからねっ?例え相手が神でも悪魔でも容赦なくよ?」

冗談とも本気とも取れる口調で、彼女に…というよりもむしろ俺に向かってそいつ、アヤは言った。

「おー、それはそれは恐ろしいことで。そのお言葉しっかりと肝に銘じておくとしますか」

と、俺も同じように冗談を交えてそう答えておいた。



そうして二人と別れ、今この場には俺とそいつの二人っきりになった。




「ふむ、こんな道のど真ん中で立ち話ってのもなんだしな…どっか座れる所にでも場所変えるか」

「え…あ、でも…」

俺が掴んでいた手を離すと、そいつは素早く2、3歩下がって俺と距離を取った。

「ははっ、まーまーそう警戒すんなって。訊きたいことあるんだろ?ちっと付き合え」


そいつの行動の一つ一つを見てつくづく面白いなぁと思いつつ、とりあえず場所を変えるべく俺たちはすぐ近くの公園に移動した。



公園に着くと俺はそいつをベンチに座らせて、自販機で適当に買った飲み物を手渡した。

そいつの不思議そうに俺のことを見る眼差しは相変わらずで。

しかし俺には相変わらずそれが面白くてたまらなかった。






さて…と。どうすっかねー



「なぁ、なんでそんな目で俺様を見るかねぇ…?俺様なんかしたか?」

そいつの横に座って、ためしにそう訊いてみた。

「別に…何もしてない…ケド」

「じゃーなんで?」

俺は面白がって更に訊ねる。

「…だから…アナタ誰?」

眉間に皺を寄せ、軽く睨みつけるような眼差しを向けて彼女は再びそう言った。

「誰…って?俺様は俺様だけど?」

「答えになってないヨ!…何で…そんなカッコしてるの?『あの人』と同じカッコを…」

わざと答えない俺に対して、彼女はじれったそうに言う。

「貴方、MZDじゃないデショ?」


その言葉を聞いて、さっきまで薄々感じていたことが確信へと変わった。


「はは…何でそう思う?」

「だって違うカラ」

彼女は迷いなくキッパリはっきりそう言った。

「何が違うって?」

「ゼンブ」



…そうくるか。



「ふーん、お前、やっぱ面白いなァ」

まじまじとそいつの顔を見つめてやると、そいつは目線をそらす事無くじっと見返してくる。

普通は目を逸らしそうなものなのにな。それでも目を逸らさない…つまり…自分の思ってることに自信を持ってるってことか。

「やっぱり…MZDじゃないんデショ?だったらアナタは一体誰?どうしてあの人と同じカッコをしてあの人のフリをするの?」

「んー?いや…俺様もMZDなんだけどなぁ…つーても信じねぇよなぁ?」

そんなの絶対信じるわけないじゃない!といわんばかりに彼女の目線は益々不信の色を帯びる。

「まぁ…でもその前にいいか?何でお前はそう思うわけ?そんなにアイツと俺様って違って見えるモンかねぇ?」

「だって…全然違うモン!!仕草も、喋り方や口調も、雰囲気もゼーンブ!」



へぇ…



「見た目も…確かにソックリだよ?でもやっぱりちょっと違うし。第一、神…私の知ってるMZDの目線は普段もうちょっと低いし」



こいつはまた…よく見てらっしゃることで。

思わず素直に感心してしまった。



「いやぁ、完敗だねこりゃ。ははっ!お前名前なんつったっけ?」

「…ジュディ」

「ジュディ、ね。やーお前が初めてだよ、俺様のことを一目でこうもあっさり見抜いたのは。今まで誰一人この世界の奴等は俺様のこと気付きやしなかったのにな!」

こみ上げてくる笑いをこらえきれず腹を抱えて俺はそう言った。目の前のこいつ…非常に興味深いじゃねぇか。

こいつ…ジュディは、今度は不思議そうな目で俺を見た。


「おう、確かに俺はお前の言う通りMZDじゃねえな。でも俺がMZDだってのは本当なんだけどな」

「…???」

不思議そうな視線が、今度は困惑の色へと変化する。

そんな彼女を見て、きっと真面目に説明したところで難しすぎてわかんねぇだろうなぁ…と思いながらも俺はなんとなくわかるように説明を続けた。

本当は…このことはヒトには話しちゃいけないはずなんだがな。けどこいつは何故か見てるだけで面白いし。

その面白さ…いや、俺のことを見抜いたということに敬意を表して、ついいろいろ教えてやりたくなったわけだ。



「うーん何つーかねぇ…俺様とアイツ…つまりお前の知ってるMZDは違う存在でありながら同じ存在なんだが…」

「???」

当然それだけじゃピンと来ないらしく首を傾げるジュディ。

「やっぱわかんねーよなぁ…。どーすっかなー…話すと長くなるんだけどな…まぁわかりやすく説明してやるとだ…」



この世界は実は二つの顔を持ってる。お前らの知ってるこの世界と、実はもう一つ。

この世界と姿形が全く同じ、でも違う世界。

わかりやすく言うと…表と裏とか、鏡映しだとかそんな感じか?どれも厳密には違うんだけどな。一番しっくりきそうなのが平行世界とか言う奴か?

まぁ何ていうか、根っこが同じで外見も同じで、でも中身は全然違う世界だ。

そこじゃここの連中とほぼ同じ姿をした奴等がいる。勿論、お前とそっくりのやつだっているんだぜ?多分な。

で、俺様はそこにおけるここのMZDの同一存在…即ち神なワケ。

だから姿形なんかがそっくりなわけで、能力とかも殆ど同じわけさ。まぁお前の言う通り俺様とアイツは別の個体だからそこに多少の違いはあるけどな。

あ、ちなみに、どっちかがオリジナルでどっちかがニセモノだなんてそういうありきたり(?)の関係じゃねぇからな?

うーん、なんて言えばいいんだかなぁ…こう…たとえば魂みたいな…いわゆる存在定義っつーのがあって…

つまるところ、俺とアイツではその同じ一つの魂=根っこみたいな共有する部分があって、それが 枝分かれしてこの世界に現れて、今の俺とアイツがいる

…って思ってくれりゃ多少わかってもらえる気がするんだが…


「 …これ以上具体的に説明すんのはめんどいからパス。でもま、なんとなくわかったか?」

長々と説明をしたものの、やはり難しすぎたのか彼女は額に指を当ててちょっと考え込んでしまっていた。

「うー…ワカッタよーなワカンナイよーな…;;」

情報を上手く整理できず、ジュディの顔に益々困惑の色が深まるばかりである。

「はは、まぁわかんねーのはしゃーねーさ。世界なんつーモンは所詮自分の見知った範囲に過ぎねぇんだし。それ以上の世界のことを言われたってピンとなんかこねぇのが普通だな」


「うー、難しいことはわかんないケド、とにかく…アナタとMZDはチガウってコトでいいのよね?」

ジュディはとりあえず今のところ一番重要だと思うことだけを確認した。


「まぁ…うん。それでいいぜ」

しかし長いこと生きてきたが、『同じ』よりも『違う』を強調されたのはこれが初めてだった気がする。

そしてそれが妙に嬉しかった。ある意味でここに来て初めて自分の存在を知ってもらえたのかもしれない、と。



「しかしなぁ、ホントよく区別ついたもんだよなぁ…今更だけどしみじみそう思っちまうぜ」

「えー?むしろなんでみんなわかんないのかが不思議だヨー?」

戸惑いながらも俺の正体が少しわかったおかげか、さっきよりは打ち解けた感じでジュディは答えた。

「いや、わかるほうがおかしいんだっての」

「むー!じゃぁ私が変だって言いたいのー?」

ジュディは今度は頬を膨らまして怒ってみせた。これじゃぁ折角の美人が台無しじゃないかと思ったが…そうさせてるのは俺か。


「いやー?まぁしかしだな、俺との違いがわかるほどアイツのことをよく見てるっつーことじゃねーの?……ってことはー…オマエもしかして…」

そこまで俺が言ったところで、ジュディは意味ありげな俺の視線の意味を理解したようだった。

さっきまでのむくれてた表情が一気に崩れて、今度は一瞬にして赤くなった。


「あ、ああー!えっとー…ねぇねぇ?アナタがMZDと同じって言うなら…ひょっとしたら、カゲもいるの?」

あ…無理矢理話題逸らしやがった。ってことはやっぱ図星なわけだ。いやー成程成程ねー。




「カゲ…つーってとコレのことか?」

俺が一瞬念じると、足元から人の影のような形をしたものが浮かび上がる。

「わ!ホントウに神とおんなじでカゲ呼べるんだね〜。んー?…でもやっぱりちょっと違う?ピンク色で、女の人みたい」

ジュディはちょっとだけ近寄ってきて、まじまじと現れたピンク色のカゲを見つめた。

「おいおい、あんま近寄るとアブねーぞ、そいつ見た目に反して気性が荒いからなぁ」

俺がそう言うと、気に触ったのか女影の奴は後ろから槍のようなモノを取り出して構えてきた。

いつものことながらこいつは主人に対しても遠慮がねぇんだよなぁ…。


「えー、そうなの?でもすっごくキレイな影だね。とっても美人さんだvv」

微妙に険悪(?)な俺と影とのやりとりを無視して突然笑顔でジュディがそう言った。その言葉に、俺も言われた当の女影も一瞬耳を疑った。

コレ(影)を見てそんな風に言った奴が今までにいたか…?と。


俺達の戸惑いをも無視して、笑顔で「よろしくねっ」とジュディは女影に向かって手を差し出した。

そしたら…驚くことにあの女影が素直に握手し返しやがった。

今まで俺様含め誰一人としてなつこうとしなかったコイツ(影)がだぜ?

つーか…一瞬でコレ(影)を手なずけるなんて… 本当にジュディって変…いや、面白い奴だ。




「…ふーん、じゃぁま、俺様のことについては納得してもらえたっつーことだよな?」

いつの間にか、ジュディが俺に対して発していた警戒の念はすっかり消えていた。

「うん、なんとなくだけどネ。あ…さっきは思いっきり睨んじゃったりしてゴメンネ?」

頭を掻きながら、ちょっと申し訳ないといった風にジュディは言った。

「いーっていーって。まぁ気にすんな」

「…そうだ。ねぇ、なんでMZDのフリしてたの?」

「あーえーと…まぁ…それは…」

「それは?」

「…なんとなく面白かったから?」




ふとしたことで初めて俺がこっちに来たとき、街を歩いていたら突然知らない奴が声をかけてきた。

不思議に思いながら適当に話をあわせてたら、こっちの俺…っつーかアイツとそいつらは仲がいいらしかった。


それが俺にとってはちょっとした疑問だった。

何でアイツは人間なんかと仲良くなってやがるんだ?と。


俺もまぁ、たまに気まぐれで人に混じってみたり、多少会話してみたりすることはあるが、

俺を俺と認識されるほどに深く他の何かと関わったことは殆どなかった。

たまに誰かと仲良くなりたいだのなんだのっていう気を起こさなくもなかったが、何をしてもどれも期待はずれで、いつしかそんなことに興味を持つこともなくなっていた。

ただ上から下を見下ろして、やるべきことをこなすだけ。それで別にいいと思っていた。



しかし、ある日突然気になった。そういえばこっちの世界の俺…アイツはどうしてるのかと。

少なからずとも元となるモノは同じで、与えられた存在定義も同一のアイツは、ここと似て異なる世界で何をしているのだろうと。


本来こっちの世界と俺のいる世界とは相互不干渉が暗黙の了解事項になっているのだが、別に破ったところでたいしたことが起こるわけでもない(筈)

まぁ今抱いてる疑問の解答を確認する程度なら尚のこと、別に気にするほどのことにはならないだろう…そう思って俺はこっちの世界に来てみた。


そこで…色々見聞きしてわかったことがあって、でも反面理解できないことも多かった。アイツが人なんかと仲良くなってることはその一つだ。


そこからもわかるが、俺とアイツとは面白いほど違う。似ているのは姿形と持っている力だけ。神としても個としてもあり方考え方のそれぞれが違う。

で、俺がこっちをウロウロしてると、俺をアイツと間違えて沢山の奴が声をかけてきた。

それが不思議だった。俺とアイツはこんなに違うのに、何でどいつもこいつも気がつきやしねぇんだろうな、と。

外見がやっぱ同じだからか。まぁ、それはしょうがねぇのかもしれないけれど、

でもアイツは…人間と深く関わっておきながら、結局この程度の認識しかされてないんだな。俺は皮肉っぽくそう思った。

かつて一時自分が抱いた幻想をアイツは無駄に追い求め続けてる、そんな気がして。


けれど…


案外無駄ばかりじゃないのかもしれないと、今日こいつに出会って思った。

一発で俺とアイツの違いを見抜くくらいアイツの事を見てる奴もいるんだ、と。


まぁ、人間なんてモノにはここんところ大して興味はなかったのだが、今目の前にいる金の髪の少女だけは気になった。


しばらくこいつのことを観ていれば、それだけでも退屈しない気がした。


「ねぇ?フリをしてた理由が面白かったカラ…って、それはみんなが間違えるカラなの?」

「あー?まぁな」

それを 肯定すると、むー…と再び顔をしかめてジュディの奴は俺を見る。

「ダメだよー。あんまりいたずらしたら神が困るデショ?」

「困らせるためにやってんの」

「エー?」

うん、さっきからいちいちコロコロ変わる表情も面白いな。

暫くの間、こっちに来た時はこいつで遊んでやりたいなと思う。


それに、こいつといれば、俺がまだ内に抱いている疑問の数々も解けるかもしれない。




「そんじゃま、そろそろ俺様は行くかねー」

「あ、もう行っちゃうの?」

「俺様も何かと忙しいんでな」

「そっか…やっぱり神様だから?」

「まぁな。まぁ、どーせまた遊びに来るから、そん時はまたヨロシクな♪」

「うん。でもあんまり神のフリしていたずらしちゃダメだヨ!あ、それと今度また会ったらイロイロお話聞かせてネ?えと…難しいコトはわからないケド…」

そう言ってくれたってことは、少なくとも向こうもこっちに興味を持ってくれたってことだよな。

「おう。んじゃ折角だし、次はアイツに関する面白い話でも持ってきてやるよ」

そう片目をつぶって言ってやったら、またジュディの表情が真っ赤に変わった。

「え…えっとーダカラ…それはごっ…誤解っ…!」

「あ?聞きたくねぇの?んじゃ…」

「あー!!…き、聞きたいッ!」

そうやって顔を真っ赤にして一生懸命答える彼女の姿に思わず吹き出してしまった。

こんなに笑ったのはホントいつ以来だったろう。

こんなに面白い奴に出会ったのも。




それが、俺と彼女の出会い。

酷く印象的で、この先どんなに長い年月が経ってもずっと忘れることはないであろう一つの出会い。




「それじゃ、またな!」


「うん…またネ」


互いに手を振って別れる、これがはじまり。




















***

そんなわけで黒神とジュディさんのお話。
黒とMZDとの見分けがつくのは愛の成せる業ということで(笑)

(20040802)





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photo by a day in the life +++thanks!!