*ひだまり*

「あーっ、おひさまの色はっけーんv」
青い空の中から声がした。
「Hi,ポエット。元気ー?」
公園のベンチに腰掛けていたジュディのすぐ上に、白い羽根をまとった可愛い天使がひらりと舞い降りた。
「ジュディさんこんにちは!ポエットは元気だよっ♪」
返事と共にポエットの二つに縛られた金色の長い髪が太陽の光を浴びて綺麗に光る。
「ポエットの髪もオヒサマの色ね」
「えへへー。おそろいだねぇ」
にっこり笑顔でお互いに挨拶を交わす。
初夏に入る季節、空の青と木々の緑のなかで二つの太陽は自然とやさしい歌を奏ではじめた。
そんな歌に惹かれるようにやさしく吹いた風は木の葉を揺らして伴奏をはじめ、
近くにいた小鳥達も一緒になってメロディを囀り始める。



「…なんだかちょっとしたコンサートだな」
歌声に導かれてまた一人。
「あー、かみさまだー♪」
「よぉ、久し振りだなポエット」
神様と呼ばれた彼は、その呼称の位を全く匂わせないほど気さくな口振りで挨拶をかえす。
ポエットはやっぱりにっこり笑って、彼の方へとふわり舞い、飛び込むように抱きついた。
「かみさまもおひさまを見つけてきたの?」
「ん?…まぁ、そうだな。ここにはあったかい太陽が二つもあるもんなぁ」
MZDは抱きつくポエットの頭を優しくなでながら笑って答えた。
「かみさまはおひさま好き?」
「ん、そりゃ勿論」
その答えにポエットは満足したのか、えへへ、と笑って翼を羽ばたかせてMZDの傍から離れジュディの傍へと舞い降りる。
「かみさまはおひさまが好きなんだって♪」
嬉しそうにジュディに向かって言うポエット。ジュディも笑顔でそれに返す。
「よかったね、ジュディさん♪」
「え?」
突然「よかったね」と耳元で囁かれて何のことかと目を丸くするジュディ。
ポエットはそのままふわっと宙に浮くと、その白い可愛い手でそっとジュディの髪に触れた。
その瞬間…ジュディはポエットがどういう意味でそう言ったのかに気付いた。
少し顔を赤くして何か言い返そうとしているジュディを見ながら、ポエットはふふっと小さく笑って、
「それじゃぁポエットおしごとあるからもう行くねー!」
と、本物の太陽の浮かぶ青い空の中に元気よく翼をはばたかせて消えてしまった。





「あいかわらずだなぁ…ポエットの奴は」
彼女の飛んでいった空を見上げながら呟くMZD。
「…そう…だねぇ…」
ジュディも小さく同意する。
「ん?ジュディ…なんか顔赤くね?」
ポエットと違ってあんま元気のない声だなぁ…と気になり、MZDはジュディの方を向く。
「そ、そんなことナイヨ!!!き、気のせい気のせい!!!」
赤い顔を誤魔化さんと言わんばかりに慌てて首を勢いよく横に振るジュディ。
もう、ポエットが変なコト言うもんだから…!と一人胸の中で呟いた。

MZDはきっとそんなつもりで言ったわけじゃない…そんなことくらいわかっていながらも、ポエットの言葉でついついちょっとだけ意識してしまう自分がいた。

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TALK項で書いたものです。
とにかくポエットが書きたかったのです。
(20050523)



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photo by 空色地図 -sorairo no chizu- +++thanks!!