…ひとがあつまり、ひととひとがであい、ひととひとがわかれるところ。
…思いが交錯し、すれ違い、行き違い、彷徨うところ。
*まちなか*
その日MZDは一仕事終え、午後の街を何気なく歩いていた。
賑やかな雑踏の中に紛れて、ここはいつもこうだよなと思う。
人が犇く様相を空の上から見下ろせば、その光景は何時だって同じモノのように思えるが、
こうして同じ人の目線に入ってみると、それぞれがそれぞれの思いで動いていて、同じものなど何もないのがわかる。
何年も何年も似た光景を眺めながらその中に差異を見つけるのが、神=MZDの楽しみの一つでもあった。
今日もまたいつものようにその繁華街の人ごみの中を何気なく歩いていると、彼は自分の足を向けた先に見慣れた二人の後姿を目にした。
いや、目にしてしまったというべきか。
…あーあ、よりにもよってなんで出くわすかね…
そう心の中で一人ごち、彼は足を止めた。
そして自分よりやや先を仲良く並んで歩く二人…一組の男女の後姿を複雑な心境で見つめる。
二人は帽子かぶりサングラスをかけ、繁華街を歩くに相応な、しかし目立たない程度のちょっと控えめなデザインの衣服を身にまとっていた。
普段知られている外見と差異をつけることで、自分たちの容姿が一目でなるべくわからないように意識しているのであろうことは一目瞭然だった。
何せ二人は巷では超が付くほどの有名人なのだから。
男の方は世界的にも有名なアーティストであるショルキー、
その隣を歩く女性は彼のプロデュースを受ける今や一流のダンサー、ジュディであった。
彼らは仕事上のパートナーとしてよい相性をもっており、音楽界にその姿を見せてからは瞬く間に知名度を獲得、
コンサートを開けばチケットの類は即売り切れるほどのアーティストで、よく世間からも仲の良さを噂され注目されている二人であった。
仲良さげに歩く二人の姿を離れた位置から眺め、MZDは心に影を落とす。
どちらか一人と出くわしただけなら、きっとこんな気分にはならなかっただろう。
いつものように何食わぬ顔で声をかけ、ちょっかいかけたりしただろう。
けれど…二人が揃っているところには、どうしても足を踏み入れる気にはなれなかった。
自分の抱く、複雑な想い故に。
…別にあいつは、俺のことなんてなんとも思っちゃいねーんだろーし…。
MZDの視界にいる二人のうちの一人…あそこで幸せそうに笑う、帽子の下から見え隠れする金髪が綺麗な女性…
ジュディのことを考えながら、MZDは一人自分の抱く行き場のない思いに痛みを感じていた。
わかっているけれど割り切ることができない。
そもそもこんな想いを抱くことすら間違っているというのに。
一人の人を好きだと想う気持ちなど、本当は神たる存在には必要のないものなのだと。
けれど…いつの間にかこの好きだという本来不必要な感情に目覚めてしまったから。
だから…辛い。
目の前で他の男と一緒にいられるのが辛い。
けれどそれを邪魔する権利なんて、俺のどこにある?あいつの幸せを奪う権利など、どこにあるっていうんだ…
だから…どうしても自分にはこの二人の間に入れない。
MZDは自分の掌を物悲しそうに見つめ、そして再び先を行く二人の姿…いや、正確にはジュディの姿だけをじっと見つめた後、
二人に気付かれないように、踵を返して逆方向に歩いていった。
**
MZDは手をポケットに突っ込み少し俯くような姿勢で、街頭を抜けた先の人の少ない道をあてもなく歩く。
さっき二人がいた場所からどんどん足を遠ざけているにもかかわらず、 彼の頭の中は、ずっとあの二人のことでいっぱいだった。
…認めたくはないが、どこまでも似合いだと…思わなくもない。
確かにショルキーの奴は外見もそこそこいいし(勿論俺ほどではないが)金も知名度も(それなりに)あれば、性格も(そんなに)悪くはない…とは思う。
アイツにとっていい事実パートナーであることも間違いはない。
それに…笑顔でそのショルキーの隣にいる彼女の姿が、鮮明にMZDの脳裏に焼きついていた。
もしこの後二人が生涯としての付き合いになったとしても、あいつが不幸せになる要素なんて殆ど見つからないじゃないか。
などと無粋なことまで考えながら。
すぐ横のショーウィンドウのガラスに微かに映る自分の姿。
ずっと昔から変わらず、この先も変わることのないであろうその姿が象徴する自分という存在。
…こういう時だけは、自分が「アイツと違う存在」であることを疎ましく思ってしまう。
ヒトと違って時の流れを感じることのない自分の体。
それが変えられないことだとわかってはいても、どうにもならないことであると知っていても、
自分と彼女を隔てるその一点が、彼にとっては大きな障害となり、心に影を落とさせるのであった。
「なーんで割り切れねぇんだろうなぁ…」
そうつぶやいた後、MZDはポケットから掌ほどの大きさの紙の箱を取り出し、その中から一本だけ煙草を取り出した。
煙草なんてものは普段は吸わない。もっているのはいわばかっこつけのためのようなものである。
ただ…「独りでいる時で尚且つどうにも気分が晴れないときだけ」という条件付けで、
気分転換と称して稀に吸うことがある。まさに今のような気分の時に。
手持ちのマッチを擦れば、咥えた煙草の先に火が点けられる。
一旦口内に含まれ、外に吐き出された白い煙は静かに大気を昇ると、空を覆う雲の色と紛れて消えていった。
ゆらゆら揺れ音もなく消えて行く煙を眺めながら、MZDは心の中で何かを思い、目を閉じた。
そうして目を閉じしばし道の真ん中で立ち止まっていた彼の身体に、突然衝撃が走った。
後ろから何かが勢いよく自分にぶつかったのである。
その衝撃ですぐに現実に引き戻されたMZDは、なんというか当然の如く不機嫌であった。
何なんだ今日は一体…!と心の内で思い、ゆっくり振り返りながら、
自分にぶつかってきた奴がいる方に向かって口を開く。
「あぁ!?この俺にぶつかってくるなんて一体何様だコ…」ラと続けようと 不機嫌丸出しで叫びかけた声が、最後になって突然小さく消えていった。
MZDが振り返ったその先には、背を丸めて膝に手をつき、息を切らして下を向いてる人物が。
今ぶつかってきたのはその人物であるに違いなかった。
ぶつかってきたその人は「ご…ごめん…」 と切れた息の中から声を絞りだして謝ったのだが、その言葉はMZDには届いていなかった。
そこにいたのが彼にとって全く予想していなかった人物だったせいで、その時彼の頭の中は唐突に真っ白になっていたのだ。
思わず咥えていた煙草を落としそうになる程に。
彼の目の前の人物は、ようやく呼吸を整え終え体を起こすと、MZDの顔を確認してにっこり微笑んだ。
「あーよかった、やっぱり神だったー。もーホント勘違いだったらどうしようかと思った」
その人物は走ってきたせいで汗をかいていたようで、そう言いながら帽子を取る。
そこから綺麗な金色の髪が顕になり、日の光を受けて眩しく光った。
整った顔立ちと青い瞳。けれど米国人にしてはちょっと低くめの背。決して見間違うことのないその容姿。
「ジュ…ディ…?」
MZDはようやく自分の目の前にいるその人の名前を口にした。
「そーだヨ?どうかした……って、あ、ごめんネ!さっき思いっきりぶつかっちゃって…痛かった?」
「い、いや…それはいーんだけどよ…お前、何でここにいんの?」
「え、何でって…」
MZDの問いかけに不思議そうに首を傾げるジュディ。
「だって…お前さっきまでショルキーとあっちの繁華街の方にいたはず…だろ…?」
MZDはそこからむしろ逃げるように全然違う方向に歩いてきたのである。 それなのに何故彼女がここに…?
「もーっ!やっぱりそーだったんだー!」
MZDのそのセリフを聞くなり、ジュディは途端に怒り出す。
やっぱり…って…、まさか気が付かれてた…のか?
そう思って一瞬焦るが、そこで彼女が何で怒り出すのかはMZDには全く理解できなかった。
「…な、なんか怒ってマス…?」
恐る恐るMZDがそう言うと、ジュディはむすっとした顔でMZDを睨む。そして小さく言った。
「怒ってるヨ!ねぇ…どーして気が付いてたなら声かけてくれなかったの?」
額に眉を寄せて、怒ったような困ったような…どっちともつかない表情をしてジュディは言った。
「え?いや…だってよー…その、デートの邪魔なんて無粋なことできねーじゃん?」
MZDは取り繕うように言った。
「えー?別にデートなんかしてないもン!ショルキーが食事に連れて行ってくれるって言ってただけだヨ?」
いや、それを普通はデートって言うんじゃ…とMZDは思ったが口には出さなかった。
「んーまぁいいケド…で、そのショルキーさんはどうしたんだ?」
さっきまで一緒にいたはずなのに、よく考えたらいないなと今になって気が付いた。
「あ、うん。置いてきちゃった」
「はい?」
さらりと流したジュディのセリフに一瞬耳を疑った。
「置いてきた…って…?」と、戸惑いながらMZDは疑問を口にした。
小一時間程前。
ショルキーと一緒に人の多い繁華街を歩いていたジュディは不意に立ち止まり、振り返った。
突然立ち止まったジュディを見て、隣を歩いていたショルキーは不思議そうに彼女を見る。
「どうかしたか?」
何か気になる店でもあったのかなと思ったが、 ジュディは振り返ったまま暫くその問いに答えず、自分たちの後方をじっと見ていた。
「あ…ううん、なんでもないヨ」
ジュディは声をかけられたことを今思い出したかのようにショルキーの問いに答え、再び前を向いた。
「そうか?」とショルキーも大して気にせず、二人は再び並んで歩き出した。
気のせい…かな。
さっきほんの一瞬だけ感じた何かが、再び歩き出して暫く経った今もジュディの心にずっと引っかかっていた。
その「何か」が果たして自分の思うものなのかどうか、まだ確証はもてなかった。
けれど何度も何度も思い返すうちに、自分の中ではそうなんじゃないかという思いが徐々に強まっていく。
それに一瞬だけ見えた後姿。あれは…
「…で、これから行く店なんだけどな、これがまたいい味を出してるところでー…って、聞いてるか?」
さっき立ち止まってからどうもジュディの様子がおかしい。
それまでと同じように何度も話し掛けているのだが、一転して反応が返ってこなくなったことをショルキーは疑問に思う。
「ジュディ?」と名前を呼ぶが、これもまたすぐに返事が来ない。
当のジュディは少し俯き加減になってどこか遠いところを見ながら何か考えているようだった。
そして…ようやく顔を上げたジュディは突然彼に向かって言葉を発した。
「あのね…ショルキー」
「何だ?」
「私、用事思い出したの」
「は?」
突然何を言い出すのかと、一瞬ショルキーはジュディの言葉の意味が理解できなかった。
「え、いや…今日はもうこの後オフだったハズだろ…?」
今日の仕事は一緒だったんだから今日の予定も殆ど同じ筈。
久しぶりのオフでもあるということで、今日はショルキーが予約していた店に一緒に食事しに行くとの約束だったのだが…。
「いきなり用事って…」そうつぶやくショルキーに、ジュディは「Sorry!」と一言だけ告げると、
くるっと 身体を反転させて、さっきまで自分たちが歩いてきた方へと駆け出していってしまった。
「ちょ…」
ちょっとまて、と差し出した手も虚しく空を切り、ショルキーは一人その場に残されてしまったのだった。
あの後姿…
ジュディはさっき振り向いた時一瞬だけ見とめた気がした人物の後姿を無心で追いかけていた。
雑踏に紛れてしまって今はその姿を確認できずにいたが、多分こっちの方向に行ったはずだだと自らの勘の赴くままに走る。
気のせいじゃない……
街頭を抜け交差点に差し掛かる。人の数も少なくなって少し先の様子まで視界に入るようになったものの、
探している人物らしき姿を見つけることはできなかった。
…確かに、あの後姿は神だったとジュディはこのとき勝手に確信していた。
そして、本当に一瞬だけ見えたその表情が…何故か曇っていたことがすごく気になっていた。
また何かあったのだろうか…もし何かあったのだとしたらきっと今頃また独りで考え込んだりしてるんだ、きっと。
神はいっつもそうだから…。それを表に出そうとしないから…自分の中に溜め込んじゃうし、自分のことを追い詰めたりするし…
せめて自分がそのことに気がついた時には、何かしてあげたいと思うから…。
どっちに行ったのだろう。ジュディは息を少し切らしながら辺りを見回し、MZDのことを探し続けた。
そうして走ること小一時間。
あちこち回り道をしてそしてようやく見つけた後姿につい嬉しくなって、ジュディはMZDに思いっきり体当たりしてしまい今に至る。
「…うん、まぁ…その、色々とね?あははは…」
なんていうか…本当に勢いだけでショルキーとの約束を断ってここにいるなんていうのもどう説明したらいいかわからず、
とりあえずジュディは笑って言葉を濁した。
しかし 、とにかくショルキーがいないということがわかってMZDは少し安堵していた。
あいつまで来てたらわざわざ離れた意味ねーもんな…と彼は小さく一人ごちる。
「で、…まぁそれはいいとしてよ、そんな…わざわざ俺のこと追いかけて来たってことはさ、なんか用事でもあったのか?」
まさか…用もなく追いかけてくるなんて事はないだろうしな…そう思って訊いただけなのだが、
そうMZDに言われて、ジュディは言葉に詰まった。
…用事…って言われても…
そもそも追いかけてきた理由が、「なんとなく神の後姿を見かけたような気がしたから…」で、
そのうえ遠くから一瞬見たとき神が落ち込んでるように見えたからそれが心配で…だなんて言えるわけがない。
第一、神にしてみれば自分のこの気持ちなんていうのは本当に余計な世話というようなものだろうし。
彼のことを「こう思う」のは、自分が一方的に感じてるシンパシーのようなもののせいかもしれなくて…
だったら尚更…いやとにかく、自分が密かに抱いているこの気持ちは、決して悟られてはいけないと思っている。
だって、もし知られたら…きっと今のように何気なく自然に側にいることができなくなってしまう気がするから。
でも…ど、どうしよう…黙ってたら余計に怪しまれそうだしなぁ…
どうにかして言い訳できないかと言葉を探していると、ふとジュディの目にあるものが留まった。
「アレ?…神ってさ、煙草吸う人だったんだ?」
「え…あ。」
MZDはふと自分が咥えてるものを思い出して慌てた。
「あー、これは…その…ふ、普段は吸わねーんだけどさ…はは、なんつーかちょっとそんな気分で…」
まさかショルキーとジュディがデートしてるのを見て落ち込んでその気分転換で…なんて理由までは流石に言える訳がない。
「悪いな、煙草苦手だったか?」MZDは慌ててそう口にすると、ポケットから携帯灰皿を取り出し急いで火を消す。
ジュディが煙草苦手かもしれないという考慮以前に、そもそも煙草を吸ってる姿をみられたことが、
まるで悪いことをしているのが見つかった時のようなばつの悪い気分にさせた。
とにかく、煙草を吸ってる姿なんてのは他の誰に見られても彼女にだけは見られたくなかった。
だから とにかく適当な理由をつけてでも急いで煙草を消したかったのだった。
だた、その様子を見て、やっぱり何かあったんだ…とジュディは思った。
勿論それが自分のせいだということには気が付かなかったが。
「あのね…」
「ん?」
「何か…あった?」
「…」
何かあった…と訊かれてMZDは内心ギクっとする。
「い、いや?別に何にもね―ケド?」
眉を寄せ、心配そうに自分を見つめる彼女を見て、MZDは作り笑いで誤魔化そうとした。
「ウソ。笑って誤魔化そうとしてもダメ。だって…神っていっつもそうだもん。
悩み事があると全部自分の中だけでどうにかしようとして。人前では絶対に悩んでるコト表に出さないから、
一人になると時々普段やらないコトやって…。それでも気分が晴れなくてぐるぐるしてる…違う?」
そう言われると殆ど本当のことなだけに否定できない。
でも…同時によくそんなことまで知ってるよな…とも思った。
他の奴らなら嘘言って笑って誤魔化しさえすれば絶対それ以上つっこんできたりはしないのに。
そういう所ではこいつは遠慮がない。でも、その遠慮のなさが内心少し嬉しかったりするのだが。
でもそんな風に思ってどうするんだ…と慌てて胸の内から込み上げてきそうになる気持ちを必死で抑えた。
MZDは軽くジュディの頭を叩いて言った。
「はは、ホントなんでもねーから。…って信じてねーな…?」
「だって…」言いかけたジュディを制して、MZDは言葉を続けた。
「まぁ、…ああ、うん何かあったっつーのは認めるけどな。でももう大丈夫だし」
お前が来てくれたおかげでな…とも言おうとしたが、そんなこと気恥ずかしくて言えなかった。
「ホントに?」
「ホントだって…まだ信じねーの?」
そう言うMZDのことをジュディはじっと見つめる。
MZDは少し気恥ずかしくなり目を逸らしそうになったが、そんなことをすればジュディは絶対今の自分の言葉を信用しないだろう、と我慢した。
「…ううん、わかった、信じるネ」
神の目を見て…少なくとも、さっきまでの危うげな雰囲気は感じない…そうジュディは思った。
そして、「うん、大丈夫ならよかった」と、小さく呟いた。
「え?」
MZDには彼女が呟いた言葉は微かにしか聞こえなかった。
「な、なんでもないヨっ!」
別に聞かれて困るわけではなかったけど、妙に恥ずかしくなって慌ててジュディは両手を振って誤魔化した。
「それじゃ、いきなり追いかけてきちゃってごめんネ」
「…あ。なぁ、なんか用事あったんじゃねぇの?」
「ううん、もういいの」
え…もういいって、一体どういうことだ?とMZDは思った。
「用事…もう終わったし」
ジュディは笑顔でそう言った。
ありえないと思いながら、MZDは何故ジュディが自分を追いかけてきたのか、少し考えた。
ありえないけど、もし…もし本当に自分を心配してくれて、そのためだけに追いかけてきてくれたのなら…
それなら嬉しいのに…と。
ジュディの笑顔を見て、思わず笑みがこぼれる。
いつもの作り笑いではなく、本当に自然な、胸の内から溢れる微かな微笑。
「なぁジュディ、お前この後どーすんの?」
何気なくMZDは訊ねた。
「んー?…そうネー、もうこれといって別に用事とかないし、真っ直ぐ家に帰るだけカナ?」
結局ショルキーとの約束は断るカタチになっちゃったわけで、これ以上どうしようもなくなっちゃったし、
日も大分傾いているから今から何処かに寄って買い物しようにもちょっと遅い時間である。だから特にこの後することもなかった。
「んじゃーさ、メシつきあわね?奢るぜ」
「ホント!?うん、OKOK!つきあうヨっ♪」
両手をパン!と口の前であわせ心から喜ぶジュディ。
MZDに食事に誘ってもらえるなんて思っていなかったから、素直に嬉しかった。
いつだって、ちょっとでも長く神と一緒にいたいと思ってるから断る理由なんて何もない。
MZDも、ジュディのOKの返事が貰えて素直に嬉しかった。
なんだかんだ言ってもやっぱり少しでも側にいれたらと思うから。少しでも機会があるならそれを逃したくなんかないしな。
「じゃ、いこーぜ。何が食いたい?何でもいいぜ?」
「はい!じゃー今日はおスシ食べたい!」
「…」
ジュディの元気いっぱいの即答に一瞬固まるMZD。財布の中をこっそり確認…。
「…ま、回っててもいいか?」
その回答に、思わず吹き出してしまうジュディ。
「ウーン、しょうがないなぁ。それでいいヨv」
とわざとらしく仕方ない素振りを見せたものの、本当は神と一緒だったらなんだってよかったのだ。
ただ、ちょっと高いもの言ったら神困るかな〜と思っただけで(笑)
二人は顔を見合わせて 自然と笑いあい、一緒に並んで仲良く街中を歩いていった。
***
もどる
photo by a
day in the life +++thanks!!