16...朝





安らかに眠る貴方をいつまでも見ていたくて、
夜が明ける前の、唯一貴方を独り占めできるこの時間が
いつまでも続けばいいのにと思いながら、
それが叶わぬことだと外から差し込む光が告げる。

眩しい朝の光を受けて、貴方は私の膝の上で身動ぎし、
やがて目を開けて小さく掠れた声で「おはようと」私に言う。
まだ半ば眠りの世界にいる貴方の姿を愛しく感じながら、
私も優しく「おはよう」と貴方に返す。

そして今日が始まる。



20040811


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